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幕内 恵三
ポリマーダイジェスト, 51(8), p.103 - 121, 1999/08
液状の樹脂(重合性の炭素-炭素不飽和結合をもつ低分子量ポリマー、オリゴマー)を放射線で固める技術である放射線キュアリングの歴史、現状及び今後の動向を解説した。1960年代、フォードの大量の特許に誘発されて、日本でも放射線キュアリングへの関心が高まり、塗装、紙加工、接着加工、粘着加工、剥離加工などに利用されるようになった。放射線キュアリングは、省資源、省エネルギー、環境にやさしい技術であるが、電子線発生装置が高価であることや不活性雰囲気を必要とすることなどから、普及が遅れている。放射線キュアリングの発展のためには、小型低価格電子加速器の開発と水系樹脂やカチオン重合系樹脂の進歩が望まれる。